サロン経営を始めてもうすぐ8年。
経営にまつわる環境や状況はもちろん、個人的にもゆっくりと変化し続けた。
そんな中でも、経営という業務に取り組むにあたって、普遍的な対処法もいくつか見出せた気がする。
実際そのまま表面的に適用して済む類のものでもなく、万能と言い切れるほど貫徹して活用できているわけでもないが、具体的な選択を迫られた際の、考える土台にはなっている。
もちろん自分と異なる状況下にある他人が用いて、同じ様に功を奏するとは限らないが、備忘録も兼ねて後代のためにも簡潔に列挙しておく。
①赦す
経営的な対処を行う相手は大抵、ヒトである。
従業員であり、お客様であり、自分でもある。
アクションとして許可する行為が必要なケースもあるが、基本的には感情と思考において赦すことが出来れば打開に繋がる一歩としては十分だと思っている。
②与える
迷った時には頑張って与えてみる。
報酬、権限、機会、学び、時間、安心等、物質以外にも与えられるものはいくらでもある。
③委ねる
出来ることをやったら後は委ねるしかない。
自分で考えて手を打てることは、所詮自分の狭い視野と能力の範囲にしかない。
加えて、自分一人のみに起因して発生している状況など存在しない。
自分でコントロール出来ることなど、他人や外界が関わっている以上ほとんど何もない。
委ねるとは、自分の限界をしっかりと認めて手放し、何らかの形で自分の存在を役立ててもらえるよう天に願うことだ。
④聴く
本当は一番大切で根源的なので、最初に挙げるべきことかもしれない。
基本的に何でもまず、どうしたらいいか「聴く」のがいい。
しかし「聴く」相手を間違えてはならない。
ヒトの口から聞いたとしても、それをそのまま「聴く」べきとは限らない。
また、悪い意味で思考が活性化し、自分に対して疑い深くなっている時には、これは上手くいかないだろう。
その場合には、まずその状況から抜け出す必要がある。
⑤感謝する
感情的にならざるを得ないような状況や相手も、自分がそこから学び成長するために存在している脚本と役者である。
目に写って見える事象とは完全に切り離した上で、自分の認識を超えた天の采配と、個々の存在そのものに対して、濁りのない気持ちで感謝することを忘れてはならない。
そうすることによって、様々な閊えが外れて、心の水と世界が滑らかに流れ出す。
そして有難いことに、上記①~④の全ての効果を増幅させる。
心が枯渇している時は、この感謝することを忘れている時だ。
言葉足らずも甚だしいが、以上の5つが、経営という仕事において自分の礎となっている原則的な指針である。
常に全て実行できるわけではないが、忘れずに活用できた際には、少なくとも自分の内面においては、一定の効果が得られている。
もちろん経営だけでなく、全ての状況や人間関係にも適用できるだろう。
その他の細則や具体例も、思い付いた際に少しずつ整理していきたい。
昔から神に導かれて仕事をする人は、純度の高い創造をする。
特に芸術、殊更音楽においては、それが分かりやすい形で如実に表れる。
奏でる楽器や様式は違えど、現代でもそれは変わらない。